岡田総領事新年ご挨拶 (2021年)

令和3年1月4日
  新年明けましておめでとうございます。

  昨年は日本及び米国,また世界中において大きな変動があった年でした。新型コロナウイルスの感染拡大は,政治・経済・人々の生活等,あらゆる面に甚大な影響を与える未曾有の事態となりました。まずは,新型コロナウイルス感染症で犠牲になられた方々の御家族・関係者に心からお悔やみを申し上げるとともに、新型コロナウイルスの感染拡大により様々な影響を受けられた方々にお見舞いを申し上げます。同時に、医療機関を始めとして新型コロナウイルスに最前線で取り組まれている方々への深い敬意と謝意を表します。

  当館管轄の中西部10州におきましても,莫大な数の感染者が発生し,多数の尊い命が犠牲となり,冬期になって更に状況が悪化していることが懸念されます。また,昨年は人種差別反対のデモに端を発する暴動や略奪も発生し,在留邦人の皆様も様々な点で当地での生活に不安や困難を感じられたことと思います。

  そのような状況の中,当館は日本企業、日本人学校及び日本語補習授業校を含む在留邦人の皆様の安心・安全を守ることを最優先とし,各州の規制・制限措置や治安等の情報を迅速かつ正確に把握することに努め,領事メールの発出による情報提供や,臨時領事事務所開設等に,館員一同が力を合わせて取り組んでまいりました。

  経済や文化・教育等の交流については,予定されていた多くの行事や会合が中止又はオンラインでの開催となり,直接皆様とお目にかかる機会が減ったことは残念ではありましたが,当館としてはオンライン等の新しいツールを活用すること等により,これまでに培った交流の根を絶やさず,また少しでも広げていけるよう新しい試みも進めてきたところです。今後とも、日本企業や日本文化の素晴らしさを発信し、活動や交流を支援してまいります。

  特に,7月には延期された東京オリンピック・パラリンピックが開催予定であり,米国においても日本への関心が一層増していくことが期待されます。その機を捉え,また、長らく止まっていた人の往来再開に向けた機運の高まりを契機に、日系アメリカ人を含む中西部と日本の学術,文化,スポーツ,教育,姉妹都市,経済等の多様な分野での交流の促進を一層進められるよう取組を行ってまいります。

  米国においては新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が開始され,少し光が見えてきた状況ではありますが,今後の動向には引き続き注意を払っていきたいと考えています。まもなく米国の政権交代も予定されている中,米国における様々な政策の変化等も注視しつつ,本年も当館の活動をしっかり進めていきたいと考えております。

  皆様の本年の一層のご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げます。

在シカゴ日本国総領事
岡田 健一