米国中西部4州における農業概況

 

 

1.総 論

 米国中西部は、「コーンベルト」と呼ばれる世界的な穀物生産地帯として知られている。特に、当館管内(イリノイ、インディアナ、ミネソタ、ウィスコンシンの各州)では、コーン、大豆ともに全米の約4割が生産されており、ミシシッピ川等の大規模河川をバージ(はしけ)輸送で経由して、ニューオルリンズから世界各地に輸出される。

また、州別には、ウィスコンシン州の酪農、果樹、ミネソタ州の養豚と特色ある農業が展開されており、4州でみた農産物販売額は2665,000万j(以下、販売額については2001年の金額)と全米の13%を占める。

 

2.各州農業の特徴

(1)イリノイ州

   コーン、大豆ともに、アイオワ州と並ぶ一大生産地帯である。農産物販売額は754,700万j(全米8位)であり、農作物のみでは全米2位となる。

   なお、全米最大の農業者団体であるファーム・ビューローの本部が2003年7月までシカゴ近郊にあった(現在はワシントンDC)。

(2)インディアナ州

   イリノイ州同様に、大豆は全米4位、コーンは全米5位の生産(以下、生産量の順位は2003年の順位)である。農産物販売額は51500万j(全米14位)となっている。

(3)ミネソタ州

   大豆は全米3位、コーンは全米4位の生産である他、養豚は全米3位、生乳は全米6位と畜産も盛んである。農産物販売額は81200万j(全米6位)となっている。

   なお、世界的な穀物商社であるカーギル、ジェネラルミルズの本部がここにある。

(4)ウィスコンシン州

   全米トップクラスの酪農州として知られ、生乳はカリフォルニア州に次いで全米2位、酪農製品もカリフォルニア州と並んで全米トップクラスの生産を誇る。また、同州東部のドアカウンティーと呼ばれる地域では果樹が盛んである他、キャベツ、たまねぎ、スイートコーン等の生産も全米上位である。農産物販売額は589,600万j(全米10位)となっている。