2004年6月(開示)
在シカゴ日本国総領事館
米国中西部4州における一般経済情勢
1.産業概観
(1) 概要
管内4州は、従来農業を中心としていたミネソタ州においても、ハイテクを中心とする工業化政策が進められるに至り、総体的に製造業と農業を基本とした産業発展を示している。管内の経済規模を2003年の個人所得で見ると、947,964百万ドルで全米の約1割を占めている。管内の失業率は98年平均の3.6%から5.8%(2003年平均)まで上昇している(全米平均は4.5%から6.0%)。
(2) 産業概要
五大湖周辺は米国産業の心臓部といわれる高度の工業地域で、ミシガン、ヒューロン、エリーの三湖周辺の5州をもって、一大工業地帯を形成している。この地域の産業は五大湖の恵まれた水運と1933年に完成したミシシッピー河からガルフへと抜ける水路によって多大な恩恵を受けてきた。さらに、1959年にセント・ローレンス水路が完成して大西洋からも五大湖への外航船が直接航行出来ることとなった結果、この地域の産業は一層の発展をみた。製造工業では、自動車、鉄鋼、機械、食品工業、エレクトロニクス、ゴムの6大工業が特に発展している。
フォーチュン誌は毎年全米大手企業500社の番付を発表しているが、このうち2003年における管内4州所在の企業は全米の14%にあたる71社となっている。
2.各州経済・産業の特徴
(1) イリノイ州
個人所得は426,298百万ドル(2003年)で全米シェア4.6%を占めている。全米第3の都市シカゴを擁し、製造業、金融・保険・不動産業、サービス業が発展している。シアーズ、モトローラ、ユナイテッド航空、マクドナルド、ボーイング等の大企業が本部を置いている。失業率は6.7%(2003年)で全米平均の6.0%を上回っている。
(2) インディアナ州
個人所得は178,328百万ドルで全米シェア1.9%。鉄鋼業が盛んであり周辺州の自動車産業に原料を供給している。失業率は5.1%。医薬品大手のイーライ・リリー等が本部を置いている。
(3) ミネソタ州
個人所得は174,258百万ドルで全米シェア1.9%。医療機器や電子部品等の製造業の他、商業も発展している。失業率は5.0%。大手小売のターゲット、家電大手のベストバイ、ノースウェスト航空、3M等が本部を置いている。
(4) ウィスコンシン州
個人所得は169,081百万ドルで全米シェア1.8%。製紙業、産業機械の他、地元農業を活かしたビールや酪農品の製造も発展している。失業率は5.6%。ハーレーダビッドソン、アメリカン・ファミリー保険、SCジョンソン等が本部を置いている。